相続放棄の期限の計算条件

通常は被相続人が亡くなったことを知った日です。先順位の相続人が相続放棄をしたことで自分に順位が回ってきた場合などは、死亡日ではなく「そのことを知った日」を入れてください。

数え方の例

相続放棄の期限は、民法915条により「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月」です。民法140条の初日不算入のルールにより、知った日自体は数えず、その翌日が期間の初日(起算日)になります。例えば4月10日に知った場合、起算日は4月11日、3か月後の応当日は7月11日、その前日の7月10日が期限です(民法143条2項)。知った日が月の最終日のとき(例: 11月30日)は、起算日が翌月の1日(12月1日)になり、月の初めから数えるので暦どおり3か月後の月末(2月末日)に満了します(民法143条1項)。また、3か月後の月に応当する日が無いとき(例: 11月29日に知り、起算日が11月30日のとき。2月30日は無い)も、その月の末日(2月末日)に満了します(民法143条2項ただし書き)。さらに、期限の末日が土曜・日曜・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)に当たる場合は、家庭裁判所が開く次の平日まで延びます(民法142条、裁判所の休日に関する法律)。このツールはこの一連の計算を自動で行います。

「知った日」とは

「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、単に被相続人が死亡した事実を知っただけでは足りず、それによって自分が相続人になったことまで認識した時を指すと解されています。通常は死亡を知った日と同じですが、必ずしも一致しません。例えば、先順位の相続人全員が相続放棄をしたために自分に相続権が回ってきた場合は、その事実を知った日が起算点になります。また、被相続人と長年没交渉で、死亡の事実や自分が相続人であることをしばらく知らなかった場合は、それを知った時点から3か月が始まると考えられています。いつ・どのように知ったかは、後で家庭裁判所に説明を求められる可能性があるため、知った日の根拠(連絡を受けた日時や書類など)を記録しておくと安心です。

期間の伸長の申立て

相続財産の調査に時間がかかるなどの事情で3か月以内に単純承認・限定承認・相続放棄のいずれにするか決められない場合、民法915条ただし書きにより、期限が来る前に家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることができます。申立てができるのは利害関係人または検察官の請求によるもので、申立て先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。伸長が認められるかどうかや伸長される期間は、相続財産の状況や調査の難易度などを踏まえて家庭裁判所が判断します。期限ギリギリで動くと申立てが期限に間に合わない恐れがあるため、迷っている場合はできるだけ早く家庭裁判所や弁護士・司法書士に相談することが勧められています。

よくある質問

Q. 期限を過ぎてしまったら、もう相続放棄はできませんか?
A. 原則として熟慮期間を過ぎると相続放棄はできなくなります。ただし、「知った日」の解釈や、相続財産(特に負債)の存在を後から知ったなどの事情によっては、期限後でも認められる場合があるとされています。自己判断で諦める前に、早めに家庭裁判所や弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。
Q. 期限の最終日が土曜・日曜・祝日に当たる場合はどうなりますか?
A. 民法142条と裁判所の休日に関する法律により、期限の最終日が土曜・日曜・祝日や年末年始(12月29日〜1月3日)に当たるときは、家庭裁判所が開く次の平日が期限になります。このツールの計算結果にも反映しています。
Q. 相続人が複数いる場合、期限は全員同じですか?
A. 同じとは限りません。熟慮期間は各相続人が「自己のために相続の開始があったことを知った時」から個別に進行するため、相続人ごとに知った日が異なれば期限も異なります。

出典

このページの計算ルールは、以下の公的な情報を基に作成しています(確認日: 2026年11月6日)。2028年の春分の日・秋分の日は国立天文台の暦要項による予定値で、確定は前年(2027年)2月の官報公示によります(2027年分は内閣府の公表で確定済み)。

※ 本ページは一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的な助言ではありません。計算結果は目安であり、正式な期限や個別の事情については家庭裁判所や弁護士・司法書士にご確認ください。

このページの法令・制度の内容は、2026年11月6日時点の条文・公式資料で確かめたものです。その後の改正は反映されていない場合があります。